貧血の考え方

2014年1月9日 連載
貧血(ひんけつ)とは血液が薄くなった状態のことで、
血液(末梢血)中の
 ●ヘモグロビン(Hb)濃度
 ●赤血球数(RBC)
 ●赤血球容積率(Ht)
が減少し基準値未満になった状態です。

一般的には血液検査結果のHb値が基準値(正常値では無い)を下回った場合に貧血とされております。

血液が薄くなる
 →酸素を運ぶ量が減る
 →全身の臓器・組織が低酸素状態に
 →疲れやすい、肌・粘膜が白くなる

犬:12g/dL未満
猫:8g/dL未満
が目安となります。
※犬種、年齢、性別、使用機種などによって基準範囲が変わりますので、例としてお使いください。


原因は、、、、


血液を作る成分としては、
 ●鉄
 ●ビタミンB12
 ●葉酸
などが知られており、それらを含む食材を食べよう!という話があります。
しかし、人間でもそうですが、「レバーを食べているけれど、改善しない…」という方がとても多いのです。なぜでしょう?

まず、なぜ貧血になるかというと大きな原因はたった3つ!
A)赤血球を新しく作れていない
B)赤血球をやたらめったら破壊している
C)出血多量

A)【栄養が不足して貧血】赤血球を新しく作れていない
1)役立たずな赤血球を作ってしまう
a)ヘモグロビン合成障害
  ・鉄欠乏性貧血←鉄が不足
  ・鉄芽球性貧血←鉄があっても使えない
  ・異常赤血球製造→破壊→貧血
b)DNA合成障害
  ・ビタミンB12欠乏
  ・葉酸欠乏
c)骨髄異形成症候群
  ・造血細胞自体の異常
    →正常な赤血球を作れない

2)赤血球を作る細胞がおかしい
a)再生不良性貧血
  ↑造血能力低下←造血幹細胞減少(骨髄)
b)骨髄の病気
c)薬剤、放射線、ウイルスなどが
  造血細胞を傷害

3)赤血球を作る細胞に出す依頼がおかしい
  ・ホルモン(エリスロポエチンなど))
  ・その他
a)エリスロポエチン分泌の減少
  ↑腎障害
b)低栄養

B)【身体の調整能力がおかしくて貧血】赤血球をやたらめったら破壊している
溶血性貧血と呼ばれて、赤血球がドンドン破壊される現象→貧血という流れです。

1)赤血球膜の異常
2)赤血球酵素異常
3)自己免疫性溶血性貧血
4)物理的破壊
5)その他

C)出血多量
ケガ等により、出血が多量もしくは長期に渡ると、
鉄が欠乏して、鉄欠乏性貧血となります。

のどれか、か、いくつかです。

このうち、栄養が不足して貧血になっているのは、上記の貧血の原因の中で、
・鉄欠乏性貧血
・ビタミンB12欠乏性貧血
・葉酸欠乏性貧血
・長期に渡る出血
ぐらいで、その他の貧血の原因は、

「食事内容が原因では無い」
「食事の見直しは関係ない」

つまり
「根本原因は食事ではない」
「材料が無いから作られないわけではない」
「調節系の不具合なんだ!」
ということなのです。

調節系というと、主に [ 腎臓 ] などの問題が考えられますが
これとて、他臓器から腎臓などに影響が及んでいることも考えられます。

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